「内向きにならずグローバルな連帯を」
杉田敦
法政大学法学部教授

コロナ後について論じるのはまだまだ早い。国内で封じ込めに成功したとしても、世界のどこかに残っている限り、それは必ずまたやって来るからである。今回、ウィルスを「水際」で止めようと、人々は必死に国境を閉じたが、それを嘲笑うかのようにウィルスは易々と越えて行った。人々は今、内向きになっている。しかし、自分たちの狭い範囲を守るだけのためにも、世界の最も遠い地域での対策が必要なのである。その意味で、コロナは長期的には、グローバルな連帯を再確認するきっかけとなるだろう。このウィルスはわれわれの肉体以上にその精神に取りつき、世界を変えて行くに違いない。