地域で金が循環し雇用をつくる仕組みの構築を
坪郷 實
早稲田大学名誉教授、市民政策調査会代表

今、地域が直面しているのは、コロナ危機とともにコロナ以前からの気候危機である。コロナ危機は既存システムの脆弱性を露わにし、この問題を解くカギとして、多様な市民の参加による分権型政治行政、地域間連携、デジタル化の重要性を一層明らかにしている。自治体は、感染症を含む減災政策の確立、地域医療介護福祉体制の再編強化、食の安全と都市農業の推進、再生可能エネルギーの普及(エネルギー自治)を軸にして、地域でお金が循環する雇用をつくる新たな地域経済を構築するという複合的な政策課題に取り組むときを迎えている。この道はコロナ危機と気候危機に対処する持続可能な経済社会への移行プロセスである。